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表現の自由と憲法第13条が定める公共の福祉との関係

2022-06-07 参議院 法務委員会

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川合孝典

国民民主党・新緑風会

国民民主党の川合孝典と申します。三人の先生方には、貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。私の方からは、表現の自由とそれから憲法第十三条のいわゆる公共の福祉との関係について三人の先生方にお伺いしたいと思います。言うまでもなく、表現の自由は憲法で保障された大切な国民の権利でありますが、他方、他人の利益や権利との関係から制約が存在しております。憲法第十三条の公共の福祉による制限を受けるとするのが表現の自由に関する通説だというふうに伺っておりますが、三人の先生方は、この表現の自由と憲法十三条が定める公共の福祉との関係をどのように捉えていらっしゃるのかということをそれぞれお伺いしたいと思い...

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今井猛嘉

法政大学大学院法務研究科教授

御質問ありがとうございました。現在、憲法十三条の公共の福祉ということについては大変研究が進んでいると思います。私が学生の頃とは違って、人権の内在的制約というのは言ってはいけないような発想になっているんですけれども、二つの人権的な利益の衝突をどう調整するかという問題になると思います。表現の自由につきましても同じでありまして、まさに、表現をしたけれども名誉毀損で訴えられたときには、表現対象者の外部的名誉と表現の自由とがバッティングするわけなので、それが刑法二百三十条の二というところで調整原理が働いています。ですから、刑法の領域では、先生御指摘の問題があることを念頭に、戦後、二百三十条の二ができてい...