熊野正士
公明党
ありがとうございました。最後に、伊藤参考人にお話を伺いたいと思います。さっきもウクライナ等のお話がありましたが、ヨーロッパでは、OSCEというんでしょうか、そういった協議の場が一応あります。ただ、アジアにはそういった枠組みというかがはっきりないと理解しています。そこで、アメリカも中国もロシアも参加するような形で、現状のこのアジアをもうこのまま維持しようみたいな形で、アジアにおける、さっきも先生の御説明の中に多国協議みたいなことありましたけれども、アジアにおける多国間の安全保障対話、そういった枠組みを何かできないのかなと。総理の方からはASEANを中心にというふうなお話もございましたけれども、今...
伊藤剛
明治大学政治経済学部教授
結論から申し上げますと、現 状では大変難しいというのが私の考えであります。といいますのは、いわゆる政府間の交渉と同時に、ASEANプラス3に関してもそうですが、あるいは日中韓の三国間の協議にしてもそうですが、トラック2の民間同士の対話というのが走っておりまして、この民間同士の対話は私何度も出席したことがあります、議長を務めたこともございますが。通常、ASEANプラス3ですと、二日間あった場合のその初日は、ASEAN諸国は黙って日本と中国の話を聞いています。二日目になって、我々はどちらの意見に賛成すると。つまり、初日の我々の目的は、いかにその黙っているASEAN諸国を翌日に自分たちの方に向けさせる...