山本博司
公明党
公明党の山本博司でございます。本日は、日銀の報告に関して質問させていただきます。初めに、現状の基本的な認識に関して伺いたいと思います。日本銀行は、四月二十八日の金融政策決定会合におきまして、長短金利操作、いわゆるイールドカーブコントロールの下での金融市場調整方針につきまして、現状維持とすることを決定した次第でございます。これは、二〇一三年四月の政策委員会・金融政策決定会合で量的・質的金融緩和、いわゆる異次元の金融緩和政策を導入して以来の政策を継続するということでございます。そこで、まずこれまでのこの金融政策を継続する理由、アメリカを始めとして世界各国がこの金利の引上げを行う中で我が国はこのよう...
黒田東彦
日本銀行総裁
各国の金融政策は、もとより自国の経済 、物価の安定を目指して行っております。FRBやECBと日本銀行の金融政策のスタンスの違いも、米欧と我が国で経済・物価情勢が大きく異なっているということを反映しております。すなわち、米欧ではコロナ禍からの景気の回復が進む下で労働需給が引き締まっておりまして、直近の消費者物価の上昇率は米国ではプラス八・三%、ユーロ圏ではプラス八・一%まで高まっております。一方、我が国の経済はGDPが依然としてコロナ前を下回るなど、感染症による落ち込みからの回復途上にあります。その中で、最近は資源価格上昇による海外への所得流出という下押し圧力も受けております。物価面では、生鮮食品...